2010年 12月 22日
グッドヘアーの定義 |
遅ればせながら、コメディアンのクリス・ロックが2009年にプロデュース、自らもインタビューアーやナレーターとして出演するドキュメンタリー映画「グッド・ヘアー」を先日視聴した。これは黒人女性の髪を取り巻くさまざまな問題がテーマで、クリス・ロックならではのユーモアを交えながら、も実によく仕上がった教育番組と私は言いたい。
黒人女性の美しく手入れされたつややかでストレートな髪は実は相当な労力とお金が投資されているということは黒人社会では周知でも、黒人以外の人々には未知の世界といっても良い。黒人たちの間でパーマといえば当然ストレートにするということであるということは、実は私も黒人大学で学び人々と触れ合ってはじめて知ったことだ。このストレートにする過程において使われう化学製剤を、「リラクサー」と言う。これはたぶん黒人の硬くて強いカールのかかった髪が化学製剤によって分解され、「リラックス」するというのがその意味なのでしょう。リラックスといえば聞こえは実にポジティブだけれど、映画の中ではこのリラクサーを溶かした水にコーラの缶を数時間漬け込むという実験を行いその効果のほどを試していた。おどろいたことに数時間リラクサーにつけられた缶は形がなくなり溶けてしまっていたのだ。これを髪にすりこんで「髪の性質を変える」リラクサーは髪どころか体にも悪影響を及ぼすのではないかというのが医者の意見。このリラクサーを髪にすり込んだあとには、化学反応が起きている間結構な刺激に耐えなければならないのだという。ストレートな髪を手にいれるためには痛みにも絶えるのだ。またこのリラクサーはいったん使い出したら、2度と後戻りはできない。これから一生使い続けていくのだという麻薬中毒にも似た状態であるということで、「クリーミー・クラック」という表現を用いた人々もいて、黒人女性の間のリラクサーへの浸透ぶりもうかがわせる。
映画の中ではさらに黒人女性たちがヘアスタイルを変えるために使う付け毛、ウィーブス(Weaves)にも話がいたる。このウィーブスは自身の髪と見分けがつかないように人間の髪の毛でできていたりして、さらに自分の髪の毛の下に縫いこんで使用されていたりする。このウィーブスを髪に入れ込むことって実はとっても高価なのだ。「だいたい1000ドルぐらいからスタートね」と映画の中でスタイリストあっさりと答える。さらにはいったん入れてしまったら状態をキープするために数週間ごとにサロンに通い手入れをするのも必須だ。ウィーブスを入れ込むのは有名人のようなお金のある人々だけかと思いきや、普通の人々が毎日の食費や貯金を削ってまでもこのウィーブスに投資するのだという。
そもそも誰がストレートな髪を「グッド・ヘアー」って決めたのか?これが映画の中でも大きな論議。この定義は白人社会の決めた美しさの定義であることに間違いはない。そうだとわかっていても、「求人のインタービューでアフロヘアーの女性とストレートヘアーの女性がいたらどちらが有利かと言われればストレートヘアーの女性に違いない。だから白人社会の定義に従わざるを得ないのよ」という人々の声。親たちの影響で子供達もが、自分のカーリーな髪は美しくないと信じていく事実。社会の「実情」から始まった美意識の鎖はくずれることがないのだろうか。
クリス・ロック自身も3歳の娘がおり、その娘に髪のことを聞かれたときにどう答えようかというのがこのドキュメンタリーを制作するきっかけになったという。私の3歳になる娘はブラックと日本人のミックスで今やくるくるとカールされた髪も肩までつく長さになってきた。「あなたのカールのかかった髪は誰よりも美しいよ」これから何千回も娘に語り続けると、この映画を見てから心に決めた。
黒人女性の美しく手入れされたつややかでストレートな髪は実は相当な労力とお金が投資されているということは黒人社会では周知でも、黒人以外の人々には未知の世界といっても良い。黒人たちの間でパーマといえば当然ストレートにするということであるということは、実は私も黒人大学で学び人々と触れ合ってはじめて知ったことだ。このストレートにする過程において使われう化学製剤を、「リラクサー」と言う。これはたぶん黒人の硬くて強いカールのかかった髪が化学製剤によって分解され、「リラックス」するというのがその意味なのでしょう。リラックスといえば聞こえは実にポジティブだけれど、映画の中ではこのリラクサーを溶かした水にコーラの缶を数時間漬け込むという実験を行いその効果のほどを試していた。おどろいたことに数時間リラクサーにつけられた缶は形がなくなり溶けてしまっていたのだ。これを髪にすりこんで「髪の性質を変える」リラクサーは髪どころか体にも悪影響を及ぼすのではないかというのが医者の意見。このリラクサーを髪にすり込んだあとには、化学反応が起きている間結構な刺激に耐えなければならないのだという。ストレートな髪を手にいれるためには痛みにも絶えるのだ。またこのリラクサーはいったん使い出したら、2度と後戻りはできない。これから一生使い続けていくのだという麻薬中毒にも似た状態であるということで、「クリーミー・クラック」という表現を用いた人々もいて、黒人女性の間のリラクサーへの浸透ぶりもうかがわせる。
映画の中ではさらに黒人女性たちがヘアスタイルを変えるために使う付け毛、ウィーブス(Weaves)にも話がいたる。このウィーブスは自身の髪と見分けがつかないように人間の髪の毛でできていたりして、さらに自分の髪の毛の下に縫いこんで使用されていたりする。このウィーブスを髪に入れ込むことって実はとっても高価なのだ。「だいたい1000ドルぐらいからスタートね」と映画の中でスタイリストあっさりと答える。さらにはいったん入れてしまったら状態をキープするために数週間ごとにサロンに通い手入れをするのも必須だ。ウィーブスを入れ込むのは有名人のようなお金のある人々だけかと思いきや、普通の人々が毎日の食費や貯金を削ってまでもこのウィーブスに投資するのだという。
そもそも誰がストレートな髪を「グッド・ヘアー」って決めたのか?これが映画の中でも大きな論議。この定義は白人社会の決めた美しさの定義であることに間違いはない。そうだとわかっていても、「求人のインタービューでアフロヘアーの女性とストレートヘアーの女性がいたらどちらが有利かと言われればストレートヘアーの女性に違いない。だから白人社会の定義に従わざるを得ないのよ」という人々の声。親たちの影響で子供達もが、自分のカーリーな髪は美しくないと信じていく事実。社会の「実情」から始まった美意識の鎖はくずれることがないのだろうか。
クリス・ロック自身も3歳の娘がおり、その娘に髪のことを聞かれたときにどう答えようかというのがこのドキュメンタリーを制作するきっかけになったという。私の3歳になる娘はブラックと日本人のミックスで今やくるくるとカールされた髪も肩までつく長さになってきた。「あなたのカールのかかった髪は誰よりも美しいよ」これから何千回も娘に語り続けると、この映画を見てから心に決めた。
by blackcollege
| 2010-12-22 15:43
| 黒人関連のつれづれ